ステロイドは不要? たいていの湿疹はワセリンで治る?
2017/08/09
ワセリンをうまく使えば湿疹が大幅改善!
アトピー性皮膚炎の治療・ケアによく用いられるワセリン。
皮膚科で処方されやすい保湿剤ですので、日常的に使われてる方も多いことでしょう。
僕がワセリンを使い始めたのは割と最近です。
これまでは、湿疹でも肌荒れでもなんでもかんでもステロイドをつけていたのですが、ワセリンを塗ってもほぼ効果は同じということに、今さらながら気がつきました。
だったら何かと副作用の危険性が取り沙汰されるステロイドなんかより、ワセリン使ったほうがいいに決まってますよね。
ほんと、もっと早く気づけばよかったですよ。
そこで本記事では、ワセリンの効果や使い方について書いていきます。
ワセリンとは?
そもそもワセリンとはなんでしょうか?
ワセリンは石油を精製して作られた保湿保護剤です。
石油から作られてるといっても、口や目に入っても大丈夫なくらいのレベルまで精製されてますからね。低刺激で安心して使用できます。
主なはたらきは、皮膚の表面に油の膜を作り水分の蒸発を防ぐこと。肌の乾燥を防ぐ保湿と、外的刺激から皮膚を守る効果があります。
ワセリンを使用した効果
僕の場合は、ワセリンを塗ってかなり湿疹が改善しました。下の比較画像を見ていただくと一目瞭然です。
こちらはヒジにできてた湿疹。以前はこの程度の炎症にもステロイドを塗ってましたが、ワセリンだけで十分に抑えられるんですよね。
5日後には、このとおりです。
まあ、湿疹の程度が軽いので、なにもしなくても1週間ほどで治ってたかもしれませんが。
こちらはふくらはぎに吹き出した湿疹。
これもワセリンを塗っただけで、かなり落ち着きました。
以前は何も知識がなかったものですから、医者に言われるまま全ての湿疹にステロイドを塗りたくってましたが、軽度の湿疹ならワセリンで対応できるんですよね。
ステロイドを全否定するわけではありませんが、なるべくなら使用しないほうがいいに決まってますので、軽めのところはワセリン、重度の湿疹にはステロイドというふうに使い分けるべきでしょう。
ちなみに僕の場合、ニキビ型の根が深い湿疹にはワセリンは効きません。
こういうやつなんですけど、じゃあステロイドなら効くかというとそうでもないので、結局ステロイドの出番はもうないですね。
思うにこの手の湿疹は、体内の毒素の排出口になってるので、皮膚の表面をケアしても意味がないんですよね。
時間をかけて体の内側の毒素を取り除いていくしかないと考えております。
ただし、以上はあくまでも僕のケースですので、皆さんに当てはまるとは限りません。症状の経過をよく観察しつつ、ステロイドとワセリンをうまくご活用ください。
ワセリンの種類
石油を精製して作られるワセリンですが、その純度によって大きく4つに分類されます。
黄色ワセリン
値段が安いものの、最も純度が低く不純物が多いワセリンです。
塗るとかえって炎症が悪化することがあるので、アトピーの治療には用いられません。
白色ワセリン
黄色ワセリンより純度が高いもの。いわゆる「ワセリン」と呼ばれるものはこの白色ワセリンのことを指します。
僕が使用しているのもこれで、どこの薬局でもお手頃価格で買えます。
不純物はほとんどなく安心して使えますが、敏感肌の人はまれにかぶれが出ることもあるようです。
プロペト
デリケートな肌の人のために、白色ワセリンよりもさらに純度を高めたのが、このプロペトです。
基本的には皮膚科で処方してもらう形になりますが、市販薬の「プロペトホーム」という製品もあります。
医療用も市販薬も成分的に違いはありません。
サンホワイト
超敏感肌な人向けです。サンホワイトは、ワセリンの中で最も純度が高く刺激が少ないのですが、その分値段も高め。
しかも普通の薬局ではあまり売ってないので、見つけるのがたいへんです。
amazonなどでは取り扱ってるので、ネットで購入するのが手っ取り早いですよ。
まあ、それほど敏感肌でなければ白色ワセリンで十分だと思います。
ワセリンの使い方
「保湿に良い」といわれるワセリンですが、原料は石油のみなので塗った瞬間に肌が潤うということはありません。
油でフタをすることで、皮膚から空気中に出ていく水分を逃さないようにするだけです。
ですので、乾燥している肌にいきなりワセリンを塗るよりも、患部を水や化粧水で湿らせておいてからワセリンを塗ったほうがはるかに効果的です。風呂上りに塗るのがおすすめですね。
で、ワセリンの塗り方なのですが、厚く塗る派と薄く伸ばす派がいて意見が分かれるところです。
ここでひとつ、「湿潤療法」の提唱者である夏井睦医師のワセリンの塗り方をご紹介したいと思います。
夏井医師については過去に何度か取り上げています。
消毒薬を使わない創傷治療と糖質制限による健康法で有名なお医者さんです。皮膚科の専門医ではないのですが、実際にワセリンのみでアトピー性皮膚炎を治してきた経験から、その方法を書籍やホームページで公開しておられます。
やり方はとてもシンプルです。
患部に白色ワセリンをたっぷりと塗って、時間をかけて十分に揉み込む
乾いたペーパータオルなどでべたつきが気にならなくなるまでふき取る
これだけです。ちなみにふき取る際にはワックスがけの要領でゴシゴシ拭くのがコツですが、ペーパータオルだと痛いのでティッシュなど柔らかい素材のものがいいと思います。
これを一日に数度繰り返していると、わずか数日で湿疹が劇的によくなります。
上にあげた画像もこの方法で改善したひとつの例です。
重度の皮膚炎に効果があるかはわかりませんが、ちょっとした湿疹なら大抵効きますから、一度お試しください。
また、夏井医師はワセリンと同様の効果が得られるものとして、「プラスモイスト」「ハイドロコロイド」を薦めています。
いずれも皮膚を保護し、保湿するための医療用具です。
ワセリンのベタつきがどうしてもイヤ、というかたは、これらを利用されるといいでしょう。
夏井医師の理念は、「皮膚は乾燥させると死ぬ。皮膚を再生させるにはとにかく湿らせることだ!」というものです。
だから、乾燥してる部分にはどんどんワセリンを塗ったほうがいいんですね。
ちなみに夏井医師は、市販の有名なハンドクリームや尿素含有クリームについて、「皮膚を乾燥させ破壊するものだ」と、ボロクソに叩いています。
そのへんのところをもっと詳しく知りたい方は、夏井医師の著書やホームページをのぞいて見てください。
面白い話がいっぱいありますよ。